オモシロキコトモナキ世ヲオモシロク-ケロッグ1年留学日記

外資系コンサル、日系金融機関、インドでの国際機関を経て、2012年6月からKellogg school of management1年プログラムに留学している男のつぶやき。アメリカ時々インド。2013年6月には卒業したいと思っている。

定性的なマーケティング

なんだか今学期は比較的平和です。まわりはとても忙しそうだけれども。以前も書いたけれども今学期Consumer competitionというクラスで某大手酒会社をクライアントにプロジェクトをやっています。が、これがまたつらい。そもそも製品のプロジェクトポジションがずっとここで生活していたわけではないのでなかなかつかみずらいというのもあるのだけれども、定量的な分析ではなく完全に定性的なアプローチのクラスなので今までやってきた強みもへったくれもないし、クラスは9割以上アメリカ育ちが長い人なのでこれまた輪をかけてきつい。まあシラバスしっかり読めよって感じなのだが。。

 

しかしエスノグラフィーなどのアプローチはきわめて勉強という目線では面白い。以前も話をしたのだが、Kelloggのマーケティングは心理学や社会学的なアプローチ派生の「定性的」アプローチと統計学的なアプローチの「定量」アプローチの組み合わせで成り立っている。ArtとDateの組み合わせこそがマーケティングなのでどっちがどっちというわけではないのだけれども人によって好みはすごくわかれる気がする。別に対立しているわけではないのだけれども、少しずつお互いを批判している。

定性的なアプローチはインタビューやサーベイのデータをベースに数的分析をする定量的なアプローチを人間の行動のきわめて一部分しかみていないとして批判する。インタビューやサーベイという特殊な空間において、聞いている質問項目を埋めている時点でNon verbalなものであったり、言葉の裏のコンテキストを逃しているという。その反面定性的なアプローチは現時点では工数がかかるのでサンプルが少なかったり、意味合いがだしずらいとして批判したりしている。そんな定性的なアプローチを学んでいるのだが、たとえばインタビューアーと数時間ずっと一緒にいて話を聞いたり、そのブランドに近しい写真を選んだりしてもらったりというアプローチから脳波やCTスキャン、アイトラッキングなど生理的な反応との掛け合わせまである。

正直言うと少しサンプルが少なすぎて意思決定をするのに必要なアプローチかといわれると少し不安になる。ずっと定量な分析を学んできて/やってきたというのもあるかもしれない。一方で定量と定性というのは本当はかけ合わせの世界であるべきで、Kelloggの定量的な分野の教授たちはどれも口をすっぱく、「データがあふれているこの世界の中で一流のマーケティングの意思決定はどこまで定性的なインサイトをもって、仮説をもって定量を解くか」だということを言っており、両方のスキルをもつ人こそが今後求められる人材だということを言っていた。

がんばってみようと思う。