オモシロキコトモナキ世ヲオモシロク-ケロッグ1年留学日記

外資系コンサル、日系金融機関、インドでの国際機関を経て、2012年6月からKellogg school of management1年プログラムに留学している男のつぶやき。アメリカ時々インド。2013年6月には卒業したいと思っている。

MBA落ちた場合に連絡があるのか

インドからシカゴに向かっています。今年は7日から新学期のWinter Termがはじまるので一足早くシカゴに向かっています。

さて微妙だがHatena Blogに移行しました。あまり性能に違いは感じないのだが、このBlogにどういう検索でたどり着いたのかが簡単にわかるようになってそれが少し面白い。

半分の人は少し申し訳ないけれどもインドネタで飛んできているようで、特にアライバルビザ関連の情報で着ている人が多いみたい。もう半分はやっぱりKelloggやMBA関連のキーワードが多くその中でも題名で検索している人も何人かいて少し書いてみようと思う。

答えからいうとおいらの過去の経験から落ちた場合はほぼ100%連絡があると思う。おいら自体は結構答えをもらう前にR2を辞退してしまっているのでよくわからないのだが、基本的にサイトに書いてあるDeadlineという期日までに何がしの連絡がくると思う。

 

みんなに連絡が来るタイミングはサイトの期日とは一致せず1-2週間前にくる学校もあれば、かっちりと期日に連絡に連絡がくる学校もあると思う(こっちのほうが少ないかな?)GMAT CLUBや他の受験生ネットワークからどのタイミングでインタビューインビテーションや合格発表がきたのかは確認すればいいと思う。

一方でみんなに連絡がきていて自分にきていないからといってもあせる必要はないと思う。特にWaitlistなどを見ていると去年も何人かが2-3週間後にでたりして肝を冷やしたけれども、あまり気にしないほうがいいと思う。アメリカの学校は適当なところもあるのでプロセスに抜けもれもあるし、特に理由なく人数が満席だから次の回に呼ぶみたいなこともあるのだと思う。あまり確証はないが日本の学校みたいにぴしぴしとオペレーションされていないので、いい連絡にせよ、悪い連絡にせよ、自分に連絡が来るその日まで一生懸命がんばったほうがいいと思う。

おそらくR2で出願の方は正念場だと思いますが、あと少し最後の一歩を頑張ってくださいね。

Happy New Year 2013

少し早いですが新年の挨拶を。

2012年、本当にいろんな国にいって、色んな人に会った。去年の年末は机の前で受験勉強を続けていた。受験もそうだけれど、色んなことが止まっているように感じて。そこから3ヶ月後会社をやめ、3ヶ月のインド生活とそれからのKelloggでの留学生活。あっという間にいろんなことが自分を駆け抜けていった1年だった。そしてまたインドで自分のやっている中国とインドのプレゼンテーションを書いたりしながらこのBlogを書いている。あっという間の1年だったけれども本当に濃密な1年だった。

いろんなことが自分を駆け抜けていったけれども、2012年自分の中の「芯」みたいなものを見つけることができたいい一年だった。自分にとって何が大事で、自分は何が好きで。そんなことを知りにアメリカに行ったのかといわれると、「そうだ」としかいいようがない。

日本に帰っているときに、「MBAであなたは変わった?」とよく聞かれた。今のおいらは変わりたいと思うけれども、自分ではよくわからないというのが本音のところ。でもこうやって一年を振り返ると「自然と」できるようになっていることが多いような気がする。

2013年はもう一度戻る。おいらにとってこの1年は留学の1年をあけてという意味だけではなく自分にとって重要な一年だ。留学が終わる1年ではなく、世界に踏み出す1年にしたい。

それでは皆さんいいお年を。(写真は冬のChicagoより)

Kisan First⑤:Peintの農家訪問

というわけで出張の報告。ムンバイから4時間かけてPeintという地方へ。2時間経過後から荒野が続く。。ここでエンストしたら絶対に帰ってこれないと思われる道をえっちらおっちら。ちょっと広大すぎてコメント不能。

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このあたりの元締めのおじさんとアポを取っていたので話をするが、とりあえずおもてなししてくれるらしく謎の小さな店で謎のもやしカレーをふるまわれる。この謎のもやし汁にパンをつけて食べるのがこのあたりのならわしらしい。ふるまいなど断れるわけもなくおなか壊す覚悟で食べたが意外とおいしい。

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さて本題の農家めぐりを開始。本来このあたりは洪水が頻繁におき、畑として使い物にならないのを一生懸命水をひき、開拓してつくったらしく、そこでトマトを栽培している。なぜ、トマトか。トマトは値段の変動が激しい作物である一方で非常に個あたりの利益が高い製品なのでみんなリスクがあるのはわかっていながらトマトを栽培する。1家族で栽培できる畑のサイズは1エーカーが限度。もっといい技術があれば、もっと買い手があれば、もっといい種があれば、ものすごい数の「あれば」が出てくる。しかもその「あれば」はそんなに難しい「あれば」ではない。彼らは木としっくいでつくったようなとてもシンプルな家に住んでいる。この1エーカーで3ヶ月に1度かりとれる量のトマトで生きている。値段はそこから数キロはなれた地方のマーケットのトレーダーが決めるので本人たちはわからない。市場の具合によっては10倍も20倍も値段がちがう。

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どの種類のトマトが売れるのかもわからない。だから市場のいいなりとほぼ勘で次のシーズンに売れそうな苗の種類を決める。この家族を救うのはそんなに難しい話ではない。でもこの村にも同じような家族は70あり、この地域には1000家族以上の零細農家が存在する。元締めのおっさんとはMarketingだとかOperationの効率がとか話をする。でも構造的にアプローチを変化させなければきっとこの問題は解けない。

 

一方で彼らに悲痛な感じは本当にない。外国人がめずらしいのか家族が総出ででてきて数十人に一気に囲まれる。そしてうれしそうにトマトについて語りだしたら止まらない。誇りをもって仕事をしていて、加工ビジネスをしたいからサンプルをくれというと山ほどトマトをくれる。あとで一緒にいったチームメンバーから、「あそこは成功しているところ、失敗するとそのままいなくなる」という話を聞いた。

今もそうだけれども、なんだか自分の頭のなかでいろんなことがぐるぐるする。今回おいらをCEOがこの村に送った意味がわかった気がする。帰り道そんなことをひっくるめて広大な大地をかけぬけながら、色々ひっくるめての大地の雄大さを感じながら少し麻痺をした感覚をひきづりながらムンバイに帰ったのでした。

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Kisan First④:ムンバイでだまされた

というわけでKisan FirstのField workでムンバイにやってきた。今日は移動日なので特に何もない。が、ムンバイの空港でタクシーのドライバーにだまされた。用心してPre-paidのタクシーを予約したのに列の途中で待ち構えるタクシードライバーに「その券見せて。こっちの車だよ。番号変わったから」*1といわれて乗ってしまった。
少し走ったところで、上司が乗ってくるからとかっていって誰かが乗ってきて、もっともらしい値段表をみせられて明らかに高い金額を払わされた*2

みんなが並んでいるのに列を飛ばして案内されたり、異常にゆっくり走っていたり気づくべきとこはいっぱいあったのに、気づけなかった。いつも思うのだがだまされる場合はこうした小さな違和感がいくつかあり、それに気づけるかどうかが大事な気がする。当然こういうことは日常茶飯事でこんなことでぶつくさ言っているようではインド在住者に笑われてしまうのだけれども、よくよく考えてみるとこれに気づけなかった自分の「危機察知能力」の低下に少し怒っている。少し気をつけなくちゃ。明日は6時半から一日Field workです。現地のチームメンバーと一緒とはいえ少し気をつけなくっちゃ。

そういえばこのプロジェクトなんどWashington大学の主催しているGSEC(Global Social Entrepreneur Competition)にてSemi-finalistに選んでもらいました。残念ながら本選にはチームメンバーの時間の都合上参加できないため辞退なのだけれども、他のコンペへの自信にもなったのでがんばろうと思います。

*1:Pre-paidの場合レシートに予約番号と乗るはずの車の番号が書いてある

*2:そこで苦情を言って戦えばよかったのだが場所も場所だったのと人数上勝ち目が低かったので安全をとってしまった。。

KelloggにおけるEmerging countryでの機会

と愚痴ってみたりしたのだが、インド農業ブログ化しているので、これもよく聞かれるKelloggでのEmerging countryでのProjectの経験や授業などについて書いてみようと思う。この分野に関してもどこの学校も力をいれていると思うが、Kelloggもご他聞にもれず力をいれている。一方で他のカリキュラムと比べてどうかという議論ではなく、他の学校が様々なプログラムを提供していく中でもっと改善の余地が個人的にはあるんでないかなと思う。

授業においてみても、International businessやInternational strategy in Non-Market Environmentなど人気の授業が揃っており、残念ながらおいらは受講したことはないけれども、Emerging marketの中でどうやってビジネスを作っていくのか?どうやってRegulatorや世界銀行・国際金融公社などの投資家と付き合っていくのかなどを教える授業がある。

一方でみんなの関心が高いであろうProjectタイプの授業もいくつかのオプションが用意されている。ひとつはGIMがこれにあたり、Japanは特殊な扱いだが(まさかそれともEmerging countryというくくりなのか・・・)、Latin America, South East Asia, IndiaなどへのProgramが用意されており、それぞれの国々での企業活動などを学ぶことができる。この中でもおもしろい切り口なのはGHIと呼ばれるGlobal Healthcare Initiativeであり今年はウガンダなどアフリカへいって他のGIMとは異なりGHIに特化した研究活動を行う(2012年はインドだった)。またLabと呼ばれる授業はもっとConsulting projectに近く、Global LabやNUventionなどでEmerging countryでのProjectを体験できると思う。また学校側の提供ではないが、おいらのようにInnovation labで中国のプロジェクトをやったりなど自分でLabの枠組みを活用することも当然できる。
AcademicではないけれどもKellogg Corpという活動があり、夏休みの一定の期間をつかって様々なEmerging countryでNon-profit/Profitベースの企業を助けるというのもありこれも楽しそうである(Projectの中身は様々)

こうやって書いてみると本当にふんだんに機会にあふれているし、いろんな箱を利用して自分でProjectすることも可能だと思う。おいらの友人でも自分で自分の国でProjectしている連中はごまんといるし、MBAにそういう経験をもとめてくる人を満足させられるプログラムであると思う(1Yでも2Yでも)。ここでは紹介していないけれどもEmerging country clubなどの活動も活発なのでそこを活用することもできると思う。
一方でKelloggの強みとしてもっとここに投資してもいいのではないかなと思ったりもする。よくわからんがHaasやMITなどもこの領域でいいプログラムなどを用意しており、もっとDiversificationに力をいれている学校としてこのあたりのプログラムの拡充をしてもいいなと思う。現段階でもプログラムは豊富にあるとはいえ、席が限定的でCompetitiveであったりコストがかかったり、まだまだ発展途上中のような気がしなくもない。(しつこいが他の学校との比較論ではなく個人的な思いで)

そういえばFacebookなどを見ていると色んな学校でRound 1の合格者がでそろったみたいですね。志望校にうかった皆さんはお疲れ様でした。まだ戦闘継続中の皆さん、正月ががんばりどころです。あとちょっとがんばってくださいね。(去年は僕は地獄の正月でした・・あはは)

Food desert

ずっとインド、中国の「食」の問題について取り組んでいるけれども、実は発展途上国だけの問題ではない。先学期も少し機会がありこの問題についても調べたので少しここで書いてみようと思う。アメリカにおいてもFood desert[食の砂漠]という課題が存在する。

所得格差の大きいアメリカにおいては3つのAccessにおける壁でMiddle/Low incomeの人たちが栄養の高い食にありつけず、安価だが栄養素の低い加工品やファーストフードばかりを食べるために肥満問題、深刻な栄養不足に悩まされているという問題が存在する。

3つのAccessの1つ目は物理的なAccessであり、オーガニックや新鮮な野菜や果物を扱っているスーパーは収入が高いエリアに集まっているためにこうした人々は車をもっていないために新鮮な野菜や果物を買うためにバスで何駅も行ったり何時間もあるかなければいけなかったりする。2つ目は言うまでもなく金銭的なAccessであり、アメリカでは驚くほどオーガニック食品は高いため当然手が届かない食べ物となっている。そして最後の3つ目は教育的なKnowledge Accessであり、肥満が深刻な問題であること、特に子供などに関して成長を左右する大きな要素であることを認識していないなどのEducationalな課題が存在する。

オバマ政権など政府も大きな問題としてこれに関しては動き出している一方で、この問題に取り組むSocial Enterpriseも増えてきている。Kelloggの卒業生でもあるSaloni Doshi `12とChelsea Katz `12の2人がFreshtakeskitchenという宅配ビジネスを広げたり*1、西海岸でも給食ビジネスをしたりとした取り組みがあるようだ。http://www.kellogg.northwestern.edu/News_Articles/2012/funding-social-change.aspx

日本にだって過疎地問題をはじめとした同様の問題はあるのだと思うが、サプライチェーンが届かない規模が異常なサイズで存在しているのだと思う。どうしても今のビジネスモデルの展開だとFresh/organic foodは高所得者層をターゲットにせざるを得ずうまくスケールできるビジネスモデルを考えたいなあ。

明日から出張です。少し楽しみ。

*1:なぜか現在サイトが見れなくなっている。。現在のビジネスの動向は少し不明です

インドの有機農園にいってきた

というわけでインドにいます。今関わっているインド、中国での双方のプロジェクトもそうなのだけれどもともに、平均的に生活水準があがっていくなかで格差はあるとはいえ「食の安全性」みたいなものが両方の国で意識されるようになっている。とはいえ国内所得格差が両方の国では広いので一部の州や高所得のセグメントなどを対象としたビジネスから着手せざるをえないけれども。
そんな中デリー近郊に直接販売している有機農法のファームがあると聞いていってきた。

なぜだかわからないけれども、日本名の野菜が飛び交う笑。きっと駐在している日本人のお客さんが多いのかもしれないが、HakusaiだのIchigoだの日本語が飛び交い不思議な感じ。
インドのトマトはこんなかたち。

びっくりすることにイチゴもある。しかもパックつめ

さらにはインドには存在していないと思っていたきのこが存在する。なんか白いぬめっとしたきのこ。

そんなに広くはない農園だが白菜、たまねぎから数多くの品目をうって直販している。
実際にかってみたけれどもやっぱりフレッシュでおいしいなと思う。やっぱり街中やスーパーで売っている野菜は品質が均一でないし、以前インタビューしたレストランの経営者なども悩んでいるらしい(品質だけでなく価格の変動リスクも含め)

また自分たちもプロジェクトの中で悩んでいるのは、特にオーガニックの野菜などの関心が高まってきているとはいえ、インドも中国も顧客がばらついているのでどうやって彼らを捕まえるのかということ。そこんとこにどういうビジネスモデルを埋め込んで導線をつくっていくのかが肝のような気がしている。ここは小さく稼ぐかんじだけれども非常にうまくまわしているなという気がした。
働いている人もとてもたのしそう。当然最終的に口にするお客さんに当たり前にいいものを届けたいという気持ちがあるのだけれども、それと車の両輪のように価格変動や非効率な仕組みから苦しみ、時に自殺をしていく農家の人たちの役に立ちたいという気持ちの両方がおいらたちのなかにはあります。卒業するまでの半年間少しでもビジネスモデルを前に進めて形にしていきいっす。